2020年2月 8日 (土)

『柑橘類と文明』ブックレビュー

タイトルは『柑橘類と文明』とありますが、全世界のというわけではなく、ほぼイタリアにおける柑橘類の栽培と利用の歴史に限定されています。

イタリアの柑橘類に言及した文章というと、ゲーテの『君知るや南の国』という詩を思い出します。森鴎外の訳が知られているようです。ゲーテはドイツ人で、この本の著者は英国人の学者さん。本の冒頭にはイタリアを訪れた童話作家アンデルセンの、嫉妬と羨望が入り雑じった言葉が紹介されているのですが、英国、ドイツ、デンマーク等々、寒冷で柑橘類が育たない土地に育った人たちにとって柑橘類が育つ土地というのはどれほど魅惑的なのか、温帯モンスーン地帯に住む我々にはなかなか理解し難いものがあります。

なお、この本の原題は

あ『The Land Where Lemons Grow』 

で、前述のゲーテの詩の一節(の英訳、ですね)だそうです。副題が

The Story of Italy and Its Citrus Fruit

です。これなら内容と完全に一致します。なんでこんな微妙な邦題をつけたのだろうと思うのですが、この出版社が文化史の翻訳本を「~と文明」というタイトルでシリーズ化しているんですね。他のシリーズも面白そう。

こちらの本によりますと、アロマテラピーでお馴染みのベルガモットオイルの原料になるベルガモットという柑橘類は、イタリアの  カラブリア地方の中でも「ティレニア海沿岸のヴィッラ・サン・ジョヴァンニとイオニア海沿岸のブランカレオーネを結ぶ75キロの海岸線に沿った細長い土地」でしか上手く育たないのだとか。シチリア島の対岸ですな。他にも、ユダヤ教の祭りに用いるシトロンがこれまたカラブリアのごく限られた地域で採れるものだったり、といったイタリアの柑橘類事情のトリビアがてんこ盛りで、イタリアの地域事情に興味のある方には非常に面白いのではないかと。柑橘類の接ぎ木の際の台木にはダイダイ(橙)が使われるというのは、園芸をやってる方には常識なんでしょうが、私は初めて知りました。

あと、イタリアとはあまり関係のない話ですが、オレンジマーマレードは発明者がはっきりわかっているというのも驚きでした。スコットランドのダンディという街で生まれたそうです。


陽光溢れるイタリアというイメージに多大な貢献をしている柑橘類ですが、イタリアは別に柑橘類の原産地という訳でもなく、全世界の栽培種の柑橘類のルーツはインドで、イタリアには有史以後人為的に持ち込まれ栽培が始まったそうです。シチリアのレモンやオレンジはアラブ人が、カラブリアのシトロンはユダヤ人がそれぞれ持ち込んだ、といったように、導入の経過もかなりはっきりわかっています。

なお、シチリア名産ブラッドオレンジ、少々風味が苦手だったのですが、この本に抗酸化作用が素晴らしいそうで、読んですぐイタリア食材店に買いにいきました。俗物丸出し。

うーん、内容が盛り沢山過ぎて上手くまとまりません😅でも、とても内容が充実した本ですので、イタリアの歴史や文化に興味のある方や、料理好きな方にはお薦めします。レシピも色々出ていて、美味しそうなものもありますよ。

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2019年12月 6日 (金)

某所還暦のつどいコンサート

さる11月23日、小生の地元で還暦のつどいなる催しがありました。なんとゲストが水木一郎アニキですと!成人式が遊園地で行われるようになってからだいぶ経ちますが、とうとう還暦のお祝いもアニソンですよ。

住人であれば還暦でなくても抽選に当たれば参加できるとあり、申し込んだところ目出たく当選。行ってきましたとも。ちなみにタダです。納税者の端くれとしては思いがけず還付があったような気分。

所謂官製イベントですから正直面白いものではないですが、地域活動のチラシやらパネルは一通り拝見しました。退職後の人たちは地域活動の担い手として期待されているんですね。自分も引退の二文字が現実の話になりつつある立場なので、興味がひかれるものもありましたけど、退職後は実家方面に引っ込む見込みなので残念ながらここの地域活動には縁がなく終わりそう。

さて、アニキのコンサートですが、場所は地元の公民館でハコの大きさも900人定員とこじんまりした会場。いつものコーラスやバンドもなく、背景は横断幕以外何もなく、もちろんアニメの映像が流れるわけでもない、はっきり言って殺風景ななかでアニキがひたすら歌うという、今までアニキのライブでは見たことのないタイプのコンサートで、ちょいと新鮮でした。(いさお御大では何回かありました)

 

以下セトリ。

マジンガーZ

鋼鉄ジーグのうた

コンバトラーVのテーマ

プロゴルファー猿

サバンナ越えて

ムーへ飛べ

オーブの祈り

GO AHEAD~すすめ!ウルトラマンゼロ~

All of me

Fly me to the moon

見上げてごらん夜の星を

ルパン三世愛のテーマ

宇宙海賊キャプテンハーロック

ハピネス

懐かしくってヒーロー

 

ジャズの二曲は曲名違うかも…。

抜けている曲もあるかも…。

いろいろ自信なくてすみません。

 

客層を考えてかジャズや歌謡曲も入っています。ジャズが歌えて、しかもジャズへの客席の反応がなかなか良くて、アニキかなり嬉しそうでした。

MCもなかなか快調で、ご自身は還暦より一回り上(とても見えない)であること、千曲ライブで自分に自信がついたこと、昔は悔しい思いもしたけど今は世界中から仕事の依頼が来て忙しいことなど、普段とは些か方向性が違うものの、やっぱりいつものアニキ節。もちろん、ささきいさおさんとのサウジ道中の話もあり、アニキ的にかなり力を入れた企画だったんだなと再認識。いさお御大については、いさおさんは喜寿です、今でもでっかい声でヤマト歌ってます!と。盟友、堀江美都子さんについては、声が昔と全く変わらない、還暦過ぎても短い丈の衣装でステージに立ってると。その他の方へ言及は特になし。

最後のメドレーでは客席におりてきて客席にマイクを向けてました。マイク向けられた皆さん、ちゃんと歌ってて素晴らしい。

しかし、アニソンのほうの選曲はちょっと首を傾げる。主賓である還暦の皆さんが見ていた可能性が高い作品の主題歌があまりないような。還暦、つまり1959/60年生まれの方々は第一次アニメブームの主力となった世代ですが、一方、当時は中学生くらいになると「テレビまんが」を見なくなる人も多かった、というかそれが当たり前のことだったので、この世代全体の思い出の歌となると60年代半ばから70年代前半くらいにかけての作品だろうと思うのだけど、そうなると『原始少年リュウが行く』とか『バビル二世』とかごく初期の作品ばかりになって嫌だったのかな。お行儀のよい歌を集めたというわけでもないし。

アニキは別に当地に所縁もなさそうですが、これまでのスキルを活かしてバリバリ働く元気な高齢者(!)の見本という点でもよい人選だったと思います。明るいしね。皆さんも地元の広報誌やサイトはちゃんとちチェックしましょう。意外な出会いがあるかもしれません。

2017年11月20日 (月)

Sabbinidica,meu cumpagnu!

意味不明、ですよね(^^;

『さらば友よ』をシチリア方言にしてみました。
標準イタリア語ではなくて、シチリア方言です。方言といっても、歴史的背景もあって標準イタリア語とはかなり異なっており、最近は別言語として扱われつつあるとか。

といっても私にシチリア方言がわかるはずはなく、ネット翻訳様のお力にすがりました。日本語からシチリア方言に直接訳せるサイトはみつからなかったのですが、イタリア語や英語からの翻訳サイトがあり、そちらを利用しました。日本語をまずイタリア語ないし英語に訳し、それからシチリア方言に訳すという、酔狂な作業です。
ちなみに、発音はわかりません!
読めません!!
ローマ字読みでいいんだろうか…。

なお、元にした標準イタリア語は

Addio!Mio comrade!

かな(^^;
って、イタリア語も知らないんですけど、こちらを大いに参考にさせていただきました。


ここでの「さらば」は、印欧語に多い「また会いましょう」の別れ(フランス語のau revoirとか)じゃなくて、もうこれっきり会えない別れなので、神様に出てきていただいたほうがいいかと(dioは神さまです)。
友も色々あるんですが、一般的なamicoだとどうしても語源となったラテン語のamicus、そしてそのまた元になっているamo、つまり「愛」の意味が引っ掛かってきて、彼らの関係ってそういうのと違うよなあ、と。
彼らって、普通に生活していて意気投合して友達になったわけじゃなくて、ある目的のもとに集められた仲間なので、同志的な意味合いのcomradeにしました。
単数か複数かという問題もありますが、考えるのも面倒になった(ヲイ)ので単数で。


何でこんなことしたのかというと、言うまでもなく例の映画のせいです。
なんで40年前のキャラソンのタイトルをそのまま持ってくるわけ?リスペクトかオマージュか知らんけどせめて一捻りしろよっ!


ということで捻ってみた。


とは言え文法もなにも知らないので、たぶんというか絶対に間違っているはずです。ご指摘ご教授いただけますと有り難いです。


2017年11月 4日 (土)

飲んでみました

前回紹介した、シチリアレモンと龍舌蘭シロップのレモネードをいただきました。

やはり血と復讐のテイスト… 、ではなく、レモンの風味も甘さも優しい味わいでした。後味もすっきりしています。
美味しいです。
しかし、定価の400円で買うかといえば、それはちょっと。
それより、市販のシチリアレモンジュースとアガベシロップで自作した方が良さそう。

2017年10月29日 (日)

レモネード

オーガニックのレモネード。
近所のスーパーで値引きされて売られていたのを購入。正価じゃちと手が出ませんね…。


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シチリアレモンにアガペ(=龍舌蘭)シロップのレモネードですってよ奥さんっ!

どんな味なんだろう。
血と復讐の味?いやまさかそんな!?

2017年8月22日 (火)

AJF2017 レジェンド編

AJF2017行ってきました。今回は三日間開催で友人と私はそのうちの8月12日 、13日の2日間参加したのですが、ここでは13日のほうのみ報告させていただきます。
ひとつだけ誤解のないように言っておきますが、12日の内容が悪かったわけではないんです。パワフルで溌剌としたステージだったんです。12日のステージのあと友人と、明日は還暦オーバーの出演者ばかりだから、軽く終わるんじゃないか、とか言ってたくらいなんです。
けど…(^-^;)
13日のほうが濃厚でした。軽く終わるなんてとんでもなかったです。
正直、今まで参加したAJFで一番良かったかも。まあ、知ってる曲ばかりで楽しめたというのもあると思いますけど。

なんというか。参加者全員持ち味が違ってて、それでいて全員レベルが高いから全く飽きないし中弛みがないんですよ。まさに、みんな違って、みんないい。最後のアンコールで出演者揃って出てきたとき、たった6人だったのでびっくりしました。
出演者は以下の通り。

ささきいさお
チャーリー・コーセイ
尾藤イサオ
堀江美都子
水木一郎
山本正之
(五十音順、敬称略)

今回のメインは、創立55周年のタツノコプロ特集。山本さんのイッパツマンから始まって、まずは紅三四郎などミッチの初期作品。ミッチ、初期作品は殆どタツノコだからと、定番のアクビ娘の歌だけでなくデメタン、てんとう虫の歌など、この手のイベントではかなりレアな曲を披露していました。
ここでちょいと事情を説明しますと、ミッチとアニキは持ち歌の数が膨大なので、超有名な歌以外は逆に滅多に聴けないんです。順番が回ってこない。特にミッチが歌ったタツノコ作品はヒーローとか少女ものといったジャンル分けに入りにくいものばかりなのでジャンル縛りに引っ掛かりにくく、歌じたいは知られていても生で耳にする機会は少ないのですよ。紅三四郎も、生で聴くの初めてかも。全く衰えない驚異の歌声。
続いて、タツノコプロの代表作と言えばガッチャマン、ガッチャマンと言えばこの方!ということで、我らが大王様登場。ご自身のHPで公表していらした手術の話になり、客席でも「サイボーグになって甦ったのか」とざわめいていたら、ステージでもそんな話になっていき、図らずもステージとの一体感を味わえました。しかし、司会の「まさにフェニックス!ゴッドフェニックスです!」つーのはちょっと(^_^;)リアルコンドルのジョーくらいでとめて欲しかったっす。そして、ミッチといさお大王のゴレンジャー以外のデュエットソングとして貴重な『明日夢みて』。これ、なんであんなに難しい歌にしたのか、聞くたびに首を捻る。
続いて大王オンステージへ。
オンステージはポリマー、ガッチャマン2、ガッチャマンFのOPを披露。何故かキャシャーンが入っていないのが不思議。
ジョー復活についてのコメントがありました。復活はアニメブームのせい、復活したことについては、止めてほしかったという意見と、生きていてくれて嬉しいという意見と両方あったこと、そしてガッチャマンFの終了については、打ちきり、という表現でした。
あと、ステージではないのですが、私たちの近くに座っていた男性がしきりに「男前だなあ、かっこいいなあ」と連呼していたのが非常に気になりました。そういうニーズもあるのね(^^;
このタイミングなら『よみがえれ歩き出せ』が聞きたかったな。今ならぴったりなのに。
大王様は、以前より動きが楽そうで声量もアップしているような…。て、今まで調子悪かったんですかσ(^_^;)?
次は復活記念で五時間オンステージですね!
続いて、アニキオンステージでテッカマン、ゴーダム、ムテキングなど。
アニキは今回、三日間フル出演だったんですが、にもかかわらずこの日は疲れた様子もなく声が良く出ていて調子良さそうでした。
続いて山本先生のアコギコーナーへ。タツノコについては、「最近、縁がない」と会場の笑いを誘い、今回は非常にレアなJ9シリーズの歌を披露。作曲者だけあって、オリジナル歌手ともひと味違う、魂が溢れる熱唱でした。どの歌もギター一本の伴奏とは思えないくらい厚みのある音でしたが、特にバクシンガーのエンディングでウルウル(;_;)新撰組ベースの散華の物語ですね…バクシンガー。
チャーリーさんはもちろんルパンと、これまた凄まじくレアな『荒野の少年イサム』で、まさに大人の歌って感じで格好いい。アニソンはメッセージ性の強い歌が多いため、聞き続けていると少々疲れてるので、たまにこういう歌が入るとホッとします。
しかし、ルパンはチャーリーさんの歌だけでいいよ。アニキの歌は要らん。この曲、アニキはお気に入りらしくこれまで何度も聞かされたけど、正直、客席の反応を見るにこれってそんなにニーズあるのかな、と思う。みんな、アニキに歌ってもらいたい歌はもっと他にあるんじゃないかな。少なくとも私にはある。
で、尾藤さん。今回のAJFの最高殊勲賞は、尾藤さんです。あしたのジョーと、何かのゲームの歌(ゲーム全然やらないものですみません)だったのですが、歌を聞いているというより一人芝居みているような感じでした。年齢不詳の外見もさることながら高音の高さがあり得ないレベル。あと、トークの時の腰の低さとパフォーマンスとのギャップが凄くて、トークとパフォーマンスに全く違和感のない出演者が多いAJFではとても新鮮でした。まさにプロの芸能人。AJFの出演者、特にお山の大将化している感のあるアニキにはいい刺激だったのでは。
あとはミッチとアニキのデュエット特集や、平尾先生追悼で999とハーロック。もしかしたら、追悼が入ったためにキャシャーンが外れたのかも。
アンコールでは、最初のガッチャマンの主題歌が歌われない代わりに、いさお大王とトランペットによる生アイキャッチというサプライズあり。びっくりされていたのでぶっつけ本番だったのかも。
最後はヤマトでした。心なしか以前より楽そうにお見受けしましたです。手術が成功して本当に良かった。
…出来れば最後はタツノコ特集なんだからみんなで『ガッチャマンの歌』にして欲しかった気もするんですが、もしかしたら子門さんの降臨を待っているというメッセージなのかもね。

思い付くままに書いていたら、感想なんだかレポートなんだかアニキへの苦言なんだかわからない中途半端な文章になってしまいました。ちゃんとしたレポートはしかるべくニュースサイトなどでご覧くださいね。

2017年5月29日 (月)

古典芸能への道

去る5月21日、大王様生誕記念のカラオケ大会に行ってきました。

前半は予選を通った16組の勇者によるカラオケ大会、後半は大王様のミニライブでした。
皆さんとてもお上手で、びっくりしました。なんでも応募が500組を越えていたそうで、その中の16組ですからそりゃあレベル高いはず。本家の歌唱をそのまま真似ている方よりキーを変えたりアレンジしている方が多かったです。


ちなみに大王様ミニライブの歌唱は

宇宙戦艦ヤマト
銀河鉄道999
星のペンダント
ミッドナイトデカレンジャー
銀河鉄道は遥かなり
銀河の煌
ゲッターロボ!
とべ!グレンダイザー
今の向こうの今を
秘密戦隊ゴレンジャー
ジャッカー電撃隊
君の青春は輝いているか、

………


あーダメだっ!あと一曲が思い出せない〰
順番も目茶苦茶だし。
一週間経っちゃったからなあ。やっぱりすぐに書かないとダメですね←メモとらない人なもんで。
ご本人のキャリアを語るのに欠かせないタツノコものとオールディーズがなかったのがちょっと残念でした。
最後はアンコールでヤマト。


箱が小ぶりなのに前のほうの席だったので、ステージから視線が飛んでくるとドキドキしてしまいました。
歌詞が覚えられないと明言していたり、危なっかしい箇所も多々ありましたが、とても後期高齢者とは思えない美声で諸々を吹き飛ばしていました。流石です。


ひとつだけお言葉を訂正。
レア曲ということで、歌詞カードを傍らに歌われた『星のペンダント』、ご本人は『さらば~』の挿入歌と仰ってましたが『ヤマトよ永遠に』の挿入歌のはずです。
歌そのものは、低音が心地よく響く素敵な歌なので、いさお様の声が好きな方にはおすすめ。自分的には昔からレコード()できいていた好きな歌なので、生で拝聴でき嬉しかったです。


カラオケ大会のほうを聞いていて思ったことをつらつら。
比較的若い出場者さんたちの中に、もしかして作品をみたことがない?という印象を受けた方が何組かいました。
999やキャシャーンは彼らが生まれる前の作品ですから考えてみれば当たり前の話なんですが、作品あってのアニメソングという考えが強く、見たことのない作品の主題歌にはあまり関心が持てない自分には意外な感じでした。
では彼らが作品から入ったのでないなら何から入ったのだろう、と考えるに、恐らくは純粋に音楽的に惹かれたとか、歌っている姿を何かでみたとか、そういったことなんだろうと思うんです。
最近、いさお大王様もアニキも「アニソンを歌いついでもらいたい」と言うような趣旨のことをよく仰られているんですが、歌い継がれていくということは、アニソンが本来不可分なはずだった作品と切り離されていくことでもあるのかも。
それってクラシック音楽なんかではよくあることで、例えば『オンブラ·マイ·フ』という美しい歌がありますが、この歌は元々『セルセ』というオペラ作品のための歌だったのが、現代ではこのオペラじたいは殆ど忘れられ歌だけが残っているといってもいい状態です。
もう一つ例をあげます。
『剣の舞』という非常に有名な曲があります。この曲は『ガヤネー』というバレエ作品のための曲のごく一部分なのですが、『剣の舞』は知っているけど『ガヤネー』なんて知らん、というケースが(少なくとも日本では)圧倒的に多いのでは。二十世紀の作品なのに。歌ではないのですが、わかりやすい例えだと思い、挙げてみました。
だから、アニソンも作品を離れて歌だけが古典として生き残っていく可能性もあるわけです。実際、伝統的?なアニソンは、ある程度の市民権は得られたものの、新作が作られることは殆どなくなり、今や義太夫や平家琵琶のような古典芸能の域に入りつつあります。
それが良いことか悪いことかはわかりません。本当にわからない。
そもそも、オリジナル歌手の皆さんだって、歌っている作品の内容をちゃんと知っていたとも限らないでしょうから、作品を知らないのに歌うなんておかしい、というのも変な話ではあります。
ただ、作品の一部であったオリジナル歌手の歌唱と違って、ファンが好きで歌う場合は、今までは基本的に作品のファンが歌っていたわけで、作品のファンならではの思いが反映されていることを聞き手も当然のこととして受け止めていたわけです。
でももう今では、作品のファンと歌のファンは必ずしもイコールではなくなってきているのです。


アニソンが古典芸能としてではあっても歌い継がれ保存されていくことは喜ばしいことです。でも、これからアニソンに出会う人たちに、歌が気に入ったのなら出来れば元になった作品も見て欲しいな、とリアルタイムの興奮を覚えているババアとしては言わずにおれません。


いつも以上にまとまりのない駄文になってしまいました…すみません。

2017年5月 7日 (日)

稀に見る珍品

連休中、友人に誘われて、帝国劇場で上演中のミュージカル『王家の紋章』を観劇。
言うまでもなく、同名の大長編漫画の舞台化です。
原作の説明は割愛(笑)まあ、ここを覗くようなお人は原作の概略くらいはご存じでしょうしね。

舞台は原作の初めの部分を舞台向けに編集したような感じで、原作からの目立った逸脱もなくオリキャラの類いも出てきません。つーか、こっちが忘れてたキャラはいたけど。
最近の舞台化作品は概ねそうですが、キャラクターの再現度は文句なし。まあ、『王家~』はコスチュームプレイですし、キャラクターのアイコン化も著しいので、余程無茶な配役でもない限り再現はしやすいかと思います。


しかし!
歌が聞いてらんない。
良い人もいましたが、肝心のメインの若手三人が…(T0T)
キャロルはダブルキャストで元AKBの子のほうでしたが、聞くに耐えない歌。芝居はまあ、普通の女の子っぽい感じでそれなりでしたが、最後まで同じ一本調子…。そりゃまあ、往年の一路真輝さんのエリザベートみたいなのは初めから期待してませんけど。もう一人のキャストのほうだったらもう少し良かったのかも。
メンフィスはシングルキャストで浦井健治くん、イズミルはダブルキャストで宮野真守さん。浦井くんは前にみたことがありますが、宮野さんは初めてです、たぶん。
二人ともビジュアルは文句ない仕上がりで、メンフィスのミニスカート姿は眼福でしたが、歌は「頑張りましょう」レベルかなあ。何より布地の多い衣装の捌きかたがなってない!メンフィスはマントの下にミニスカートなので生足の魅力でカバーできていますがイズミル王子は一反木綿状態。
二人とも背が高いだけにもっさり感が余計目につきます。もっと華奢な宝塚の生徒さんたちのほうがもっとすっきり捌いてる。
ライアン兄さんは、今一つビジュアルの再現度が落ちる感じ。まあ、この話の中では一番普通な格好なので、コスプレが出来ないぶん役者さんの素が出やすいのかなという気はします。伊礼彼方さんは格好いいのですが、細川先生の描く細身の男性の雰囲気ではないです。あの雰囲気の再現は宝塚じゃないと無理かもしれない。ましてライアン兄さんはマントでもトーガでもない普通のスーツ姿ですしね。

歌が素晴らしかったのはアイシスと宰相イムホテプだけ。
アイシスの濱田めぐみさんは情感もあり、外見も、総じて再現度が高い中にあってもワンランク上というか、漫画から抜け出たようで、文句なしです。
同じく歌を聞かせてくれたイムホテプ山口U一郎さんは相変わらずでww闇の帝王を引退してから最近は普通の人間の役が多いような?また人外演じて欲しいです。
あと、歌は少なかったのですが、ルカが光ってました。ビジュアルも芝居も本当にルカみたい。矢田悠祐さんです。

音楽は『エリザベート』でお馴染みのリーヴァイさんですが、全体的に今一つな感じだったので、役者さんたちだけとやかく言うのは酷かも。

最後にカーテンコールでびっくり。
トリがメンフィスって!?
これってキャロルが主役だよね?
もしかしたら宝塚の脚本をそのまま使ったのかと思ってしまいました。
そして、最後の最後で、衝撃の光景が。

きらびやかな衣装で勢揃いのカテコ。
舞台上で仲良さそうにじゃれあうメンフィスと、イズミル王子。

えっ(@_@)

キャロルそっちのけで、メンフィスとイズミル王子がキャッキャッって…。

なにそれ。

そんな王家の紋章は嫌だーーーーーーーーーーっ!!!!

(別にそういうの嫌いってわけじゃないですけど、この作品に関してはどうにも受け入れ難いものが…)

なんつうか、すごい珍品見ちゃった感じがあります。あまりのショックに勢いでまさかの王家の創作はじめてしまいました(笑)


あ、日干し煉瓦投げないで、きゃーっ!

2017年1月 9日 (月)

だいすー?

松の内も過ぎてしまいましたので今更ですが、本年もよろしくお願いいたします。

さて、本国より海外での人気が高いグレンダイザーですが、ロシア語版の動画を見つけました!
ロシア語版があることは知っていたのですが、なかなかモノが確認できずにいたので、見つけられて嬉しいです。

(余談ですが、タブレット入力にしたせいで、動画貼り付けるのが大変でした。ロシアの動画サイトから動画をダウンロードしてココログにアップロードしようとしても容量が大きすぎて無理。仕方ないのでYouTubeにアカウントを作り動画をアップロードし、埋め込みコードをココログに貼り付けてようやっとアップできました。ココログは動画紹介には不向きです)


甲児くんがハラショーとかドーブラヤウートラ(おはよう)とか喋ってる!本放送時は冷戦真っ只中だったことを思うと隔世の感があります。

主題歌は日本版をそのまま使ったみたいです。オリジナル版が広まるのは嬉しいものの、ロシア語の歌詞を味わう楽しみがないのはちと残念。
キャラクターの名前はオリジナル準拠ですが、不思議なことに、大介さんが「だいすー」になっています。
ダイスケだと、スゴく発音しにくいとか、変な意味があったりするんでしょうかね?

見ていると、オリジナルと若干ニュアンスが変わっているのではないかと思ったシーンがありました。つか、そこしかわかんなかったんですけど(^_^;)
甲児くんのピンチを見て、戦いに身を投じる決意をした大介さんがグレンダイザーで出撃、間一髪で甲児くんを救いだすのですが、その時の大介さんのセリフ。

「コウジ!コウジ!エータ ヤー!」(19分43秒辺り)

「甲児くん!甲児くん!俺だ!」といったところでしょうか。もう正体をばらしていいのかと驚いてしまいますが、実際には甲児くんに聞こえるはずはなく、だからこそ、思わず自分がパイロットであると口走っているんだと思うのですが、日本語版とはニュアンスが違っています。ただし、声は聞こえなくとも甲児くんは意識を失う寸前に、自分を助けたパイロットの姿を目に捉えます。あの状況でそこまでやるとは、流石は歴戦の勇士です。
そしてラスト近く、腕を吊って牧場に現れた甲児くんがバギーの手入れ中の大介さんに近づいて話しかけます。

「ダイスー ヤー ズナーユ クトー トゥイ」(22分45秒辺り)

これは「大介さん、わかっているんだぜ、あんた何者なんだ」という感じ(だと思う)ですが、甲児くんが何をズナーユ(知っている、わかっている)なのかというと、大介さんが突如として現れた謎のロボットのパイロットであるということです。マスク越しに見たパイロットの容貌が大介さんに重なります。
ここ、日本語では、「大介さん、あんた、もしや?」なので、だいぶニュアンスが違う感じです。全体的には同じことなのかもしれませんが。


あと、グレンのロシア語wikiを見て凄いなあと思ったのが、声優さんが3人だということ。男性2人、女性1人。ロシアではこういう方法が一般的らしいですが、高度な技術だと思います。大介さん役はアナトリー·ペトロフさん、甲児くん役がミハイール·チェルニャークさん、女性の声優さんはエレーナ·ソロビョーヴァさんです。この3人で全ての役を演じているそうで、ちょっと雑な感じはするもののちゃんと演じ分けられていて凄いです。


それにしても、グレンの第1話って、何度見ても何語で見ても、熱血少年とツンデレ王子の出会いがまるでB(以下自粛)

2016年12月31日 (土)

年末の記事から

年末恒例の追悼記事の中から目を引いた記事。
大平透さんについての、いさお大王様のインタビュー記事より。
記事はコチラ


78年「―ガッチャマン2」を制作する際、原作の吉田竜夫さんが前年に亡くなったこともあり、大鷲の健役の森功至が続編に異を唱えたことがあった。
 「私が演じたジョーが前作で死んで完結してて、森が『生き返らせるのはよくない』と主張した。声優陣が重い雰囲気に包まれる中、大平さんが『みんながやろうと言ってるのになぜ反対するんだ』と、その一声で森も納得した。絶大な存在感で、進むべき方向を示してくれた」

2の収録が始まった頃の話でしょうか。
もちろん、ご本人が話している内容をそのまま記事にしているとは限らないのでそこは注意が必要ですが、こんな顛末があったのかと、いささか驚きました。
森さんが作品の方向性に異議を唱えていたという話はよく聞きますが、こういう具体的な状況まで言及しているのは珍しいのでは。
当時のアニメ雑誌とが各種ムック作品とか映像ソフトの解説には出ている話なんですかね。
作品のファンのくせにケチで薄情だと自分でも思うのですが、あんまりそういうの持ってないんです。
作品そのものがあればいい、というのもありますが、そもそもコレクションするほどのお金も置き場も気力もないので。
まあとにかく、私には初耳でした。

あと、突っ込まずにいられなかった一節が。

胸のあたりの共鳴がすごくて、日本人の声帯じゃない。声量だけでなく、低音の倍音(通常より倍の振動数でより響かせる声)がすごい。

それ、あなたもだと思うんですけど。


と、いうことでも今年もうすぐ終わり。お世話になった皆様に感謝申し上げます。
皆様にとって来年がよい年になりますように。

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